プラスチック光ファイバ(ファイバスコープ)
メーカー名旭化成
プラスチック光ファイバは、旭化成が高分子技術と合成繊維で培われた紡糸技術を結集して開発した高性能プラスチック光ファイバ(POF)です。 POF は、コア材料として透明性の高いメタクリル樹脂とクラッド材料としてフッ素系樹脂を用い、最新の技術を駆使して製造された POF で、信号伝送や画像伝送の用途で期待されている素材です。
プラスチック光ファイバは、高屈折率成分であるコア(芯)とその同心円上の外側を低屈折率成分のクラッド(鞘)で覆ったものであり、光ファイバの一端から入射した光がコアとクラッドの境界面で全反射を繰り返しながら他端まで伝送されます。
仕様
ファイバースコープ 挿入先先端径:直径4mm(*1)
品名 | LFS-MCI-1500-S2-1M |
---|---|
ファイバ径 | 直径1.5mm |
ファイバ材質 | PMMA/フッ素樹脂 |
被覆径 | 直径2.2mm |
被覆材質 | PE |
画素数 | 7400画素(*2) |
接眼部径 | 直径14mm |
対物部径 | 直径4mm |
対物レンズ構成 | 2群2枚 |
画角 | 44°(無限遠時) |
ピント範囲 | 33mm~∞ |
許容曲げ半径 | 33mm(*3) |
使用温度範囲 | -20~60℃ |
標準製品長 | 1000mm |
※1:医療用途に開発された商品ではありません。体内に入れる用途には使用しないで下さい。
※2:製品の特性上、一部の画素欠陥(黒い点)が存在することがありますが、不良ではありませんので、予めご了承下さい。
※3:繰り返し曲げ試験において、「1000回以上断線無し」を基準にしております。
・本ページに記述されている製品仕様につきましては、あくまでも概要ですので、個々の用途に最適なグレードを選ぶ目安としてご利用ください。
・本ページ記載内容は、予告なく変更することがあります。
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伝送損失 (導光損失)
プラスチック光ファイバの光透過特性は、光の波長によって異なってきます。P-MMA の光透過特性から、570 nm と 650 nm 付近の波長に伝送損失の極小値があります。
耐候性
旭化成(株)製のプラスチック光ファイバ(POF)は候性に優れた P-MMA 樹脂が主成分ですので長期間経過しても初期性能が劣化することがほとんどありませんが、ベアファイバ(POF 素線)が長時間紫外線の照射を受けるような場合、黄変色等の変化が生じることがありますのでご注意ください。
耐熱性
POF の耐熱性は、構成されるプラスチックの耐熱性に依存します。
POF 各グレードの耐熱性(最高使用可能温度)は下の表のようになります。
グレード |
最高使用温度 |
---|---|
マルチコア POF |
60 ℃ 又は 85 ℃ |
DB, DC |
70 ℃ |
SC |
85 ℃ |
SHCN |
105 ℃ |
*記述されている製品仕様につきましては、あくまでも概要ですので、個々の用途に最適なグレードを選ぶ目安としてご利用ください。また仕様は予告なく変更になる場合がございます。
光源ランプの至近、発熱体を有する機器内部の配線等、高温となり得る環境下のご使用にはご注意ください。
屈曲性
プラスチック光ファイバは、電線等と比較しても屈曲による破断強度が優れていますが、極端な屈曲部では光の伝送損失が発生しますので、各グレードの許容曲げ半径以内でご使用下さい。 極端な曲げを有する配線には、曲げても光量の低下の無い旭化成(株)「マルチコア POF」 のご使用をお勧めいたします。
耐薬品性
プラスチック光ファイバは、一般的に有機溶剤の影響を受けて光透過率の低下もしくは機械強度の低下を引き起こすことがありますのでご注意ください。 なお、接着剤のご使用につきましては常温硬化二液混合タイプのエポキシ系接着剤をお勧めいたします。
取り扱い上の注意
用途制限
食品に接触する用途や、カテーテル、内視鏡等、人体内で直接接触する用途には使用しないで下さい。医療用途にご使用の場合には、必ず事前に(株)オプトロンサイエンス担当者までご相談ください。製造メーカーと協議の上適切に判断致します。
プラスチック光ファイバ(POF)は樹脂でできており、過度の加重に耐える設計にはなっておりません。重いものを乗せたり、落としたりする事、または何かをつり下げるようなご使用方法はしないで下さい。POF は樹脂でできており POF を使用する環境条件を誤ると、POF が断線したり、導光性能が低くなったりして、光伝送の機能を失う危険があります。従って、POF がシステムや機器の中で重要な役割を負っている時は、使用環境(温度、湿度、周辺の溶剤、光源等)の管理や、バックアップをとる等のシステム設計上の配慮をして下さい。過去の実例から見て、次のような視点を参考にして下さい。
*POF のケーブルを金具等で圧迫するような配線は避けて下さい。
*POF は化学薬品との直接的な接触により有害になる可能性がありますので、接触は避けて下さい。
*POF 及び POF ケーブルが直接接触する樹脂製品(プラスチック、ゴム成型品、チューブ、電線ケーブル等)には可塑剤(DOP 等)、安定剤等の添加物が含まれており、POF が影響を受け、変色、強度及び導光性能の低下を招く場合があります。あらかじめ影響の有無をご確認下さい。
*接着剤についても、溶剤やモノマー、その他の成分が POF に影響を及ぼす場合がありますので、あらかじめ影響の有無をご確認下さい。
*POF をアルコールや有機溶剤で拭いたりすると、クラックが発生する原因になりますのでアルコールや有機溶剤では POF を拭かないで下さい
*放射線や紫外線も POF の導光性能低下の原因となりますので、照射を避けて下さい。
高温加熱注意
プラスチック光ファイバ(POF)は樹脂でできており、100 ℃ を越えると軟化し、200 ℃ を超えると樹脂の一部が分解を始め、可燃性のガスを発生し、さらに高温になると発火する危険性があります。特に光源として使用するランプについては、POF の性能上、POF の温度が 80 ℃ を越えないように、冷却装置などを付けるなどのご配慮をお願い致します。また、これら冷却装置が故障した時は、火災を防ぐために POF の温度が 100 ℃ 以上にならないように光源を設定して下さい。そのほか、集光レンズで強い光線を取り入れる場合は、POF の端面に汚れなどが付着していると、表面温度が上昇し、火災を発生させる危険もありますので、POF の端面に汚れなどが付着しないようご注意下さい。
保管上の注意
プラスチック光ファイバの性能を劣化させない為、直射日光の当たらない、または雨や水漏れ、過度の湿度のない屋内に保管して下さい。
廃棄上の注意
プラスチック光ファイバ(POF)あるいは POF ケーブルはフッ素樹脂や塩化ビニール樹脂が含まれています。焼却処理をする場合は、有害なフッ化水素ガスが発生しますので、これら有害ガスを処理できる焼却設備で焼却処理するか、あるいは埋め立て処理をするのが妥当です。いずれの処理にしても使用する国や地方の法律に従って実施願います。*以上の記載内容は現時点で入手出来る資料、情報、データに基づいて作成しており、新しい知見により改訂されることがあります。
用途
- 工業用内視鏡
- 峡部確認用途
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